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2015年7月30日

東京で4月16日にコンサートを投稿











 

……グラナドス作品による前半「スペイン舞曲集」より5曲、「ゴイエスカス」より、「嘆き、またはマハと夜鳴き鶯」「わら人形」……比石の演奏は、繊細な魅力的であり、そのニュアンスは絶妙である。後半の吉松隆,「4つの小さな夢の歌」では、作品に共感する比石の、明快な描写が注目された。ブラームス「6つの小品」では、沈痛な重さを抑えた、聞き手にストレートに訴える表現が印象に残る。

4月16日、浜離宮朝日ホール 
音楽之友社  原 明美

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……比石とスペイン音楽は、幸福な関係のようだ。グラナドス「スペイン舞曲集」からまず5曲。師であるの情熱に和テイストが加味され、マイルドな抒情で包み込む。
「ヴィリャネスカ」は可憐に屈託なく、セゴビアのギター演奏を採用したくなるはずの「アンダルーサ」は、あくまでピアノ曲として自分の直感を貫く。他に「ゴイエスカス」など。吉松隆,「4つの小さな夢の歌」はなるほどグラナドスの延長線上の選曲で、線描的な透き通った音はチェレスタのよう。強弱の変化を最小にして、アーティキュレーションの妙で音楽を息づかせるから吉松の世界にジャストフィットした。
ブラームス「6つの小品」はやはり湿度・密度が違うのでは。
アンコールのアルベニス「パヴァーヌ」は絶品。

4月16日、浜離宮朝日ホール  
音楽現代 高塚昌彦