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2013年1月08日

比石妃佐子 スペインの魅力コンサート モンサルヴァチェ生誕100周年記念

比石は、ラローチャに師事し、「イサク・アルベニス・メダル」を受賞したほどのスペイン音楽スペシャリスト。最初のトゥリーナ 「幻想的な舞曲」は、流石に美しいタッチと淀みない流れ。ただ、ひっかかりが無く、いささか流れ過ぎか。その後は調子も良く味も濃くなり、続くモンサルヴァチェ(1912年生まれ、2002年没)「オスカー・エスプラの想い出に寄せる子守唄」「3つのディヴェルティメント」では、これらの曲の近代的な和声付けの妙、素朴で美しいメロディー、ユーモアと独自の味を十分楽しめた。様々な面を持つ作曲家との事だが、確かにもっと人気の出て良い人だ、との思いを強くする。休憩後の後半は、グラナドスの「ロマンティックな情景」と「五月の歌」。
この作曲家と独自の憂愁のこもったロマンティシズム、それにきらめくピアニズムが、良く表現されていた。スペインの魅力が横溢。

1111日津田ホール
倉林 靖