What the experts say 専門家たちの言葉
アリシア・デ・ラローチャ、1998年12月30日
比石妃佐子氏の“ゴイエスカス”の素晴らしい演奏を聴ける事をたいへん嬉しく思います。比石氏は自らの豊かな感受性で、エンリッケ・グラナドスの非常に優雅で、ロマンティックな性格を十分に理解されています。これは、技術的にも音楽的にも極端に難しい作品です。
アリシア・デ・ラローチャ、1998年
比石妃佐子は音楽界に関わっている方々全ての人が注目し、支援すべき偉大なるピアニストです。
た、ここスペインでも既に大成功をおさめています。
チャビエル・モンサルヴァチェ、1998年
チャビエル・モンサルヴァチェ、1998年12月17日
生来の感性がラテン的、もっと具体的に言えば、地中海的感性から遠くかけ離れた演奏者にとって、グラナドスの音楽を深く理解し、演奏するのは非常に難しいに違いありません。比石妃佐子氏の“ゴイエスカス”の賞賛すべき演奏は正にこの困難を克服しています。グラナドスがこの広大な組曲を作曲していた時に抱いていた感情と無縁の物は、比石氏の表現スタイルには微塵も感じられません。日本人ピアニスト、比石妃佐子氏は楽譜が要求する複雑で、しかも名人芸的効果に富んだテクニックに熟知し、この上なく優雅で、かつ様々な色彩を放つ演奏で聴く者を最初から最後まで魅了して止まないのです。
カルメン・ブラボー、モンポウ夫人 1994年
アルベルト・モラレダ
比石妃佐子は、アルベニスの言わんとする事を、まさに、生来の彼女らしく、又、いかにも日本的な精神で、楽しげにかつ軽快に解釈している。そして、このカタラン人の作曲家の、アンダルシアをテーマとしたごく難しい作品を、いとも容易そうに錯覚させるテクニックで弾きこなし、聞く人を心から楽しませてくれる。この素晴らしい成果の結実を心からお祝いすると共に、そのコンパクトディスクを紹介できる事は、私にとっても大変な栄誉である。これは、取りも直さず、我々の音楽に深い愛情を持っている、比石妃佐子が、どれほどそれを理解しているかの、良い証となるであろう。
濱田滋郎 2000年7月
去る5月、東京文化会館小ホールで催された比石妃佐子の、グラナドスほかスペイン音楽のリサイタルは、実に素晴らしい聴きものだった。(....)ここに取り上げる“ゴイエスカス全曲”と“エル・ペレレ”の1枚は、グラナドスの音楽の真髄をつかんだと評して過言ではない彼女の境地を、十全に示している。
カルメン・ガルシア(アマデウス誌)
比石妃佐子のピアノは、抑えきれない人魚の歌のように柔らかく繊細かと思えば反対に力強い和音が出現する。テキストに対する彼女の中立的態度と忠実さの追求は、感情に任せた即興的な演奏を回避し、夫々全く性格の異なる、バッハ、ベートーヴェン、モーツァルト、シューマン、ショパン、アルベニス、モンポウなどの作品の特徴を明確にするという演奏方法を取っている。
ザルツブルグ、モーツァルトテウム、クリストフ・リースケ教授